
日本語を母語としない外国にルーツを持つ子どもたちの中には、周囲の支援者や日本人の誤解によって、誤った支援を受けたり、支援を受けられないまま時間を無為に過ごすことになったケースが存在します。
よくあるのは、「日本語ができない子どもの支援は、その子どもの母語が話せる人でないとできない」という認識です。
この認識は意外にぼんやりと多くの人が持っていて、たとえば、自治体の就学手続きを担当する方などがこうした認識の場合、「その子の母語を話せる人材が見つからないから支援ができない」ので、「支援できる人が見つかるまで、学校で受け入れができない」といった、教育機会をうばいかねない結果となることもあります。
しかしこの認識は誤っています。日本語が一言も話せない子どもに対する支援は、必ずしも母語でなくてもすることが可能です。
このようなちょっとした「誤解」や誤った認識ひとつで、外国にルーツを持つ子どもに必要な支援や機会が届かないことは、本来であればあってはならないことですが、現実には少なくないケースでこうした不幸が起きています。ただ、逆に言えば、外国にルーツを持つ子どもの支援に関する正しい知識と理解さえ普及すれば、今より多くの子どもたちの支援機会や教育へのアクセスが確保され、状況改善につながるとも言えます。
今回、学校の先生や地域支援者など、外国にルーツを持つ子どもと出会い、彼らを直接支える側となる可能性の高い方々を念頭に、「これだけは知っていてほしい」と思うことを「基本の基(き)」としてまとめました。
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