YSCグローバル・スクールの多文化コーディネーター、ピッチフォード理絵のインタビュー後編です。
言葉が通じない親子も
-手探りですよね。
ピッチフォード理絵(以下P): はい。親子の共通言語がなくなってしまっている子もいて、これは辛いなというケースはいっぱいありました。
たとえばクリスマスの時期に両親がフィリピンに帰って、子どもたちだけで日本で留守番をしていた家庭があったんです。子どもは中3だったかな。
日本生まれ・日本育ちで日本語しかできなくて、お父さんとお母さんからもらった英語のクリスマスカードが読めないんですよ。全然わからないから、読んでほしいって持ってきて。
こんなに愛情あふれることが書いてあるのに、他人に読んでもらわないといけないのは切ないなって…。本当に、親子の共通言語は失っちゃいけないと思いました。
そういう話は多いですよ。
特に両親とも外国出身で、家庭で親は自分の出身国の言語と、カタコトの日本語を使っている。一方で子どもたちは日本生まれ・日本育ちで、ほぼ日本語しかできない、といった状況はきついですね。
こういった家庭では、子どもは親に言われていることはなんとなくわかるけど、両親の言語では答えられないんです。でも黙っていると親に怒られる。
しょうがないから日本語でばーって返すと、今度は親がわからなくて、興奮して殴り合いになってしまうとか。それがもとで家出してしまう子もいます。
読者コメント