日本の子どもの6人に1人が貧困という事実は、今や多くの人々が知るところとなりました。外国にルーツを持つ子どもの支援をしていると、「日本人の子どもが貧困に苦しんでいるときに、なぜ外国人を支援するのか?日本人の子どもの支援を優先すべきだろう」というご意見をいただくことも少なくありません。
この子どもの貧困に関する数値の基になった調査(厚生労働省、国民生活基礎調査)では、その対象が「国民」とあるものの、無作為抽出のため、「6人に1人の貧困の子ども」に「(日本国籍を持つ/または日本人保護者を持つ)外国にルーツを持つ子ども」が含まれている可能性もありますが、定かではありません。
6人に1人ということは割合にすると約16%ですが、私たちのスクールで支援してきた外国にルーツを持つ子ども約400名のうち、困窮・低所得世帯に相当する家庭の子どもは約30%でした。ひとり親家庭の子どもの割合も同程度です。母数が小さいため断言はできませんが、外国にルーツを持つ家庭の経済状況は、そうでない家庭と比べて悪い場合が多いのではないかと考えています。
滞日外国人の貧困について全体像を把握できる調査はなく、いわんや、外国にルーツを持つ子どもの貧困の姿を明らかにするデータはまだありません。外国人失業率や、外国人ひとり親家庭率の高さ、外国人ひとり親家庭の厳しい状況などは拙記事「外国にルーツを持つ子どもたちの貧困―今、子どもの貧困問題関係者に知ってほしいこと」でご紹介しましたのでぜひご一読ください。
日本社会の中で安定した職に就くことが難しく、工場のラインで野菜の加工や冷凍食品加工、コンビニ弁当製造など、非正規で就業・失業を繰り返しながら子育てに奮闘する外国人保護者が多くみられます。
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